クラッシュ

rumirumi2006-02-22


水のトラブル日記crash


ロサンゼルス。
真夜中のハイウェイで起きた交通事故。その脇では偶然にも若者が死体で発見され捜査が行われていた。


場面はその前日にさかのぼり、複数の登場人物のそれぞれの1日が描かれ、様々な人種と階層の人々の人生がどこかで交錯し、深く関わっていきます。


みんなが何かに怯え、怒り、不安を募らせているロスの街で、天使に助けられる人もいれば神に見放される人もいる。


先の読めない展開と、人種差別と貧困という深い社会の問題が心に重くのしかかってきて、どうすれば解決できるんだろう、どうにもならないのかな、と切なくなってきました。


その中で透明マントのエピソードには本当に心が洗われて感動しました。



人種差別主義者の刑事役のマット・ディロン
刑事という善の立場ながら人種差別という悪の心も併せ持つ彼の役は、人間なら誰にでもある表と裏を見事に表現しています。



群像劇って誰がどこでどう関わっていくのかという断片的なエピソードがつなぎ合わさっていく過程が一番おもしろい。
最後までそのおもしろさを引っ張っていける脚本がスバラシイです。




人とぶつかることを避けて生きているようだけれど、本当はぶつかり合って生きていきたい、という人間の本質を、最後はやさしく見せてくれてやるせない気持ちが少しなごみました。


ちょっと重かったけど、おもしろかったです。