ナイロビの蜂


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アフリカで行われている薬物実験、製薬会社と官僚の癒着を暴こうとしたイギリス外交官のジャスティン(レイフ・ファインズ)の妻テッサ(レイチェル・ワイズ)の死から物語はスタートして、ジャスティンがテッサの死の真相を調べていくうちに妻の深い愛を知る。


本当は社会派のミステリー、サスペンスだけどラブストーリーとして成り立っているのは、その構成がスバラシイからでしょう。


ジャスティンがテッサとの思い出を巡らせながら、現在と過去の映像は次々と切り替わっていくので、ジャスティンと共に自分もテッサの愛の深さを感じたり、死の謎を暴いていくような気分。


派手なストーリーでも演出もないけれど、グイグイ引き込まれました。


生前、テッサが何キロも歩いていく子供を車に乗せようとして「今目の前の命を救うことのほうが大切だ」というようなことを言った時に、ジャスティンは「一人を特別扱いできない」と断ります。
テッサは窓ガラスから子供達を悲しそうに見つめて車は子供の横を通りすぎます。


そして、妻の生き方をたどったジャスティンも最後は同様な無力感を味わいます。
そこできっと夫婦はひとつになったのだなあと思います。



地の果てで、やっと君に帰る。



ラストでこの意味がわかります。
ジャスティンはシアワセだったのかなあ。
そしてテッサも。
今でも思い返して涙があふれてくる・・・。


この映画でアカデミー賞助演女優賞を受賞したレイチェル・ワイズは実際に妊娠中の裸体を披露する熱演。
でもワタシはレイフ・ファインズの静かだけれど、情熱を感じる演技に涙しました。
「I’m home」という最後のセリフを言った時の瞳が忘れられません。
ウマイなあ。


こんな泣ける映画なのに、なんとクルマの中にハンカチもティッシュも忘れた。
頼みの綱はポップコーンを食べるのに持ってきたペーパーナプキン3枚。


吸います。すっごい吸収します!水分は。
でも鼻水はダメでした。
もう途中で諦めて鼻水は放置。
苦しかったです。


これから観る方はくれぐれもティッシュをお忘れなく。